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透明な人達

朝起きる、支度をする。

 

満員電車に乗る、就業する。

 

昼に食事を摂り、息をつく。

 

 

仕事を終える、改札へ急ぐ。

解放されたあとの時間は貴重だ、急ぐ。

 

また、満員電車に乗る。

 

 

透明人間の居ることに気づく。

 

透明人間は至るところにいる。

 

 

いい歳をした頭の禿げた男が美少女ゲームをしかめっ面でしている。

 

車両の扉の入り口で小柄なおばさんがぶつぶつ何か言っているが目はしっかりとしており、服装もまともだ。

 

ジャンバーを着た体格のいい男性が席の真ん中でうずくまっている。たまに起き上がり、こちらに向かって深いため息をする。臭い息がかかる、何度か。

 

 

正直にいうと

彼らのことを異常だと感じるが、

目に見えない何かがそれを許さない。

 

この世界で彼らは異常ではないが、色をもたない。

そうすることで彼らは存在し、絶妙なバランス、ぎりぎりのところで日常が保たれている。

 

帰宅する、家事を一通りこなす。

 

 

布団に入る。

ふと、自分も透明人間ではないかと考える。

 

わからないので、眠る。